十七、八柱の荒神
(一)鬼門荒神(丑寅荒神) | |
家の丑寅の方位を守護する神である。この方位は、男性を表わし、鬼門切り捨てと云う言葉を聞くが、これは裏鬼門切り捨ての誤りである。 |
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(二)未申荒神 | |
未申の方位を守護する神である。此の方位は女性を表わすので、建物が出張らぬ様に切り捨てた方がよい。 |
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(三)戌亥荒神 | |
戌亥の方位を守護する神である。この方位も穢さぬ方がよい。 |
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(四)土荒神 | |
屋敷内の土、壁、庭等を守る神である。 家の周囲や庭、床下の土など無断で掘ったり、壁を無断で塗り換えても、此の神の咎めを受ける。又、庭や土間に刃物を取り落しても発熱、鼻血、頭痛等起す。 直接地面上で薪木割り等していても肩凝り、のぼせ、頭痛持ち等になる。お詫びして台を置いて、その上で割るか、その都度お断りして割る様に心掛けねばならない。 万一、過去この様な罪を犯かして居る場合には、塩を振り浄めながら、南無忠孝妙法典と称え「土荒神様○○してすみませんでした。今後は気を附けますから、お赦し下さい」と、こと理け述べて、お詫びする。 予め場所を定めて、塩を振り浄め「此処で何時も薪割りしますから、その時だけ、お怪我があってはなりませんから、お退き下さい。終りましたら、お守り下さい」と約束して置いてもよい。 植木を抜いて発熱した人もあり、また子供がままごと遊び等で庭の角等掘って、その晩、高熱出して取り返えしのつかぬ様になる場合もある。 |
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(五)見廻り荒神 | |
悪病等の原因物が発生せぬ様に、家の周囲を見廻って居る神である。 家の周りに汚物を溜めたり、処かまわず屋敷内に小便したり、痰を吐き散らしたり、無断で庭いぢりして、地面を掘っても、庭土を削り取っても、発熱、肩凝り、鼻血等出して居る。 湯殿の湯船や洗い場等も此の神の見廻りを受けるので、清潔に保たねばならぬ。湯船の下等にも汚物が溜まると腫物等出されるので、水洗いして、汚物の溜らぬ様気をつけねばならぬ。 下水溝の土を屋敷内にかき上げた為に熱を出し、甚しい嘔吐、吐気を起された方があり、また植木を掘ったために、命を採られかかった人もあった。 よく縁先きから幼児に小便させ、夜中に幼児が乳も呑まず甚い発熱した試しもある。 |
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(六)柱 荒 神 | |
家屋を守護する神である。 無断で、釘を打ち附けたり、修繕等すると、此の神の咎めを受ける。鴨居や敷居の接合部分八寸四方位の処が特にその罪が大きい。 家に捨て釘が増える程、商売は不振になり、歯痛や虫歯が出来る。 捨て釘を抜く際も無断で抜くと、家族の者が下痢、頭痛、目眩い等起すので、必ず南無忠孝妙法典と称え、お断りして塩を振り浄めてから抜かねばならぬ。 曲がり釘は捨て釘とはならない。家屋に無断で釘を処かまわず打って居ると、段々不運になり年期を切って、下痢、発熱、肺病、癌、嘔吐、神経痛、雲眼、眼病、血の病、血の道等起し、命もしまう。 無断で改築などすると、家の主になるものが死んだりする。 自分達で、塩を振り「荒神様此の柱を取換えますから、宜敷しくお願いします。終りましたら御守護下さい」と言っておく、終った後でも又、塩で浄め「荒神様終りました」と報告する。 |
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(七) 不浄場荒神 | |
便所を守護する神である。 便所には、大小便、使用した紙布類、消毒用剤、婦人の月脛、折れ針、爪以外のものを捨ててはならない。 産後のおりもの等落すと長血病等起し、日立ちが悪くなる。万一、落ちた時には塩で浄める。小便に血がまざった時も塩で浄めてから便所に捨てる。気を附けると、うその様に日立ちがよい。 某婦人が産後悪臭あるおりものがすると言う。産後消毒した綿に血がついて居たのである。塩で便所を浄めたら、翌日は椅麗になった。 便所に煙草の吸い穀火、痰唾、唾液、産後の血、鼻血、月脛以外の血、吐瀉物等捨てると、痔の病、蓄膿症、咽喉かたる、鼻血病や吐気癖に苦しむ。塩で浄めお詫びすると癒る。 便所を無断で修理、取毀ち、移転等してはならない。年期を切って難が来る、荒神退散供養法によって、宇宙に放たれた神の念波を取り消して戴く必要がある。 不浄場は特に清潔に保たねばならない。 |
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(八)かまど荒神 | |
火を焚く処の設備を守護する神である。 かまど、こんろ、瓦斯火口等、この神の支配である。又、家の東西南北の中心線は此の神の支配下にあるので「かまど」はこの線に近い所に備けるがよい。東向きに火を焚く西向き「かまど」は悪い。無断で移転、取換へ、取毀ち等してはならない。 刃物を載せたり、足を乗せても咎めを受ける。某婦人が長血で困って居た。 「こんろ」を下水ぶたの上にのせて用いて居た。下水管が「かまど」の真下にあったため、脳を病んで居た者もある。「かまど」は浄らかな場所に、備けるべきである。床下に不用な「こんろ」等貯えてはならない。 以上八柱の荒神は男神女神共に遣わされ、俗に「八荒神」と云う。種々な眷属も連れて居る。御詫びするには「○○荒神様、八荒神様、不注意に○○してすみません、今後気を附け、又、家族の者にも気を附けさせますから、お許し下さい」と南無忠孝妙法典と称えながら塩で振り浄める。朝夕繰り返えしてお詫びする。 この咎めから来て居る病気なら覿面に治癒する。あとで荒神退散供養をすることを忘れてはならない。 某氏が眼病で苦しみ、医療の効もなかった。虫封じの御符(某神社のもの)を柱に打ち附けたことのあるを思い出し、早速、塩で浄め荒神に詫びたら、けろりと痛みが去り治癒した。気を附け、過去のことを思い出さねばなるまい。 |